宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題を受け、甲子園の常連校でもある松山市の私立済美(さいび)高校のすべての運動部が、感染防止を目的に九州の高校との対外試合を自粛していることが分かった。同校が「防疫に努める県に協力したい」と独自に判断した。事態が沈静化するまでとしているが、突然のキャンセルに対戦相手の変更を強いられるなど一部で混乱も起きている。
同校によると、宮崎県内で口蹄疫の感染が続いていることを受け、5月中旬から運動部の九州遠征や、九州の高校を迎えての試合開催を控えているという。同校の井上幸二教頭は「フェリーで入ってくる車の消毒など、県全体で感染防止に取り組む中、協力することにした」と言い、事態が終息するまで当面続ける考えだ。
これに対し、愛媛県教委は「対外試合の自粛などは指示しておらず、その予定もない」としている。同県宇和島市は闘牛が盛んで、市営闘牛場で年5回、定期闘牛大会を開いている。
一方、突然のキャンセルに戸惑う高校も。07年の夏の甲子園で初優勝を果たした佐賀市の県立佐賀北高校は5月末に済美との練習試合を予定していた。約1年前からスケジュールを組み、宿泊先なども手配。保護者も参加する予定だったため済美の仲介で対戦相手を岡山県内の高校や社会人チームに変更した。
佐賀北の吉冨寿泰部長は「『宮崎イコール九州』との考えかもしれないが、いささか過剰ではないか」と首をひねる。
また、今春センバツ出場を果たした北九州市八幡西区の私立自由ケ丘高校も県大会を控え、練習試合を重要視。済美と5月末対戦予定だったが、予定の2日前にキャンセルの連絡があり、松山市内の別の高校と同校グラウンドで対戦した。自由ケ丘の末次秀樹監督は「済美と対戦したかったが仕方ない。愛媛は闘牛も有名だし、細心の注意を払ってのことだろう」と気遣った。【西嶋正法】
大槻公一・京都産業大鳥インフルエンザ研究センター長(獣医微生物学)の話 九州の方には気の毒に思う。人権の問題も出てこようが、ウイルスが目に見えない以上、人的交流を避けるのは仕方ない面もある。愛媛県は闘牛が有名でもあり、緊急事態であることを考えると、済美高校の判断はいい悪いではなく、尊重するしかない。
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